2006年3月

イカルチドリ

 梅の花も盛りを過ぎ、ウグイスやヒバリなどの
さえずりが、春を感じさせる季節になりました。
 夏鳥たちの渡来はまだまだこれからですが、
留鳥たちは一足早く、繁殖期を迎えようとして
います。
 河原では、イソシギやイカルチドリのなわばり
争いの声が、さかんに聞こえます。イカルチドリ
の色合いは、石の色に似ており、じっとしていれ
ば気がつかないことも多いのですが、この時期
だけは、その声を頼りに探すことが出来ます。
 オスは過眼線が黒く、胸をふくらませて相手を
威嚇しています。メスは過眼線が茶色っぽく、
じっとそのやりとりを見ています。
 なわばりが決まると、まもなくメスが産卵しま
す。その巣は、河原の石と石の間の小さなくぼ
みにあり、普通4個の卵を産みます。卵の模様
は、本当に石そっくりで、数m離れると、もう気が
つきません。親の上面の色合いも石そっくりで、
じっと卵を暖めている姿は、そこにいるとわかっ
ていなければ、本当に気がつかないでしょう。
 ふ化したばかりのヒナは、すぐに歩き始めます。
ヒナの色も石そっくりで、外敵に見つかりにくい
ようになっています。彼らにとっては、何もない
石ころだらけの河原が理想的で、草が茂ると、
かえって良くありません。大水の時には水につ
かり、草も生えないような場所が彼らの理想郷
なのです。
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今月の野鳥
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